10月18日に、今年度最後の一茶記念館講座を開催しました。今回は、信州大学教授の牛山佳幸先生をお招きし、「善光寺と善光寺信仰」と題してお話をお聞きしました。
先生のご専門は、中世善光寺の女人信仰を中心とした分野で、今回は鎌倉・室町時代に、善光寺を参籠(さんろう)した2人の人物のお話をいただきました。
参籠とは、参拝と異なり、堂内で何晩か夜を明かすことです。中世には、宿坊や旅籠はなく、参拝者は本堂で7~14日程度宿泊するのが一般的でした。
1人目の後深草院二条は女性で、女人救済を求めて善光寺に参籠した紀行文「問はず語り」を残しました。
2人目の堯惠は、歌学を修めた天台宗の僧侶で、善光寺には2回参籠しています。その様子を「善光寺記行」「北国紀行」という作品に残しました。
二人の旅の様子から、当時の善光寺参籠の様子をお話しいただきました。非常に専門的なお話でしたが、普段知ることのできない善光寺の側面を知ることができました。