ねこ館長日記

九輪草の季節です

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九輪草四五りん草で仕廻(しまい)けり  一茶

一茶の代表作「おらが春」のなかで、故郷を描いた一節に出てくる句です。雪は夏まで残って、秋には霜が降りる土地なので、気候の良い土地からどんな植物を持ってきても、みんな姿が変わってしまうと書いています。

九輪草の名前は、お寺の五重塔などのてっぺんについている「九輪」という金属製の装飾に形が似ているのが由来です。九輪は、文字通り、9個の輪を串刺しにしたような形をしていますが、九輪草も、長い茎に、輪状に花が付き、それが何段も重なる姿をしています。寒くてやせた土地なので、その数が少ないと自虐交じりに詠んだ俳句です。

一茶記念館の九輪草は現在3段くらいの花の輪っかが出来ています。今年はどこまで増えるか楽しみに観察しています。