開館期間
3月20日~11月30日(通常営業)
休館日 5,6,9,10月末日(土・日に当たる場合は翌月曜日)、年末年始
※冬季営業/12月1日〜3月19日の間も、平日のみ見学可能
開館時間
午前9:00~午後5:00
入館料
おとな(高校生以上) 500円(450円)
こども(小中学生) 300円(260円)
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳ご提示の方と、
付添いの方1名まで半額
ねこ館長日記
勝声や花咲爺が菊の花 一茶
現在一茶記念館では写真の「巴の錦」という菊を玄関で展示しています。
江戸時代初期の寛永年間ころに、加賀百万石の大大名前田家3代当主利常候が、参勤交代で善光寺を訪れた際に鑑賞し、名付けたといういわれのある菊です。
この菊は、近隣の長野市大豆島地区で古くから栽培されており、一茶記念館では、同所の「巴の錦」保存会からお借りしました。
来年には、北陸新幹線長野~金沢間が開業しますが、この二つの地方の古くからの結びつきを、前田公の参勤交代という象徴的な出来事を通して知ることができる由緒ある菊です。表側が鮮やかな赤、裏側が黄金色というコントラストが素敵です。
なお、冒頭の句は、「菊合(きくあわせ)」という、菊の品評会の様子を詠んだ句です。一茶の生きた江戸時代後期は、園芸が非常に盛んになっていて、菊作りも庶民の間で大流行していました。一茶も何度も菊を見に出でかけています。
10月18日に、今年度最後の一茶記念館講座を開催しました。今回は、信州大学教授の牛山佳幸先生をお招きし、「善光寺と善光寺信仰」と題してお話をお聞きしました。
先生のご専門は、中世善光寺の女人信仰を中心とした分野で、今回は鎌倉・室町時代に、善光寺を参籠(さんろう)した2人の人物のお話をいただきました。
参籠とは、参拝と異なり、堂内で何晩か夜を明かすことです。中世には、宿坊や旅籠はなく、参拝者は本堂で7~14日程度宿泊するのが一般的でした。
1人目の後深草院二条は女性で、女人救済を求めて善光寺に参籠した紀行文「問はず語り」を残しました。
2人目の堯惠は、歌学を修めた天台宗の僧侶で、善光寺には2回参籠しています。その様子を「善光寺記行」「北国紀行」という作品に残しました。
二人の旅の様子から、当時の善光寺参籠の様子をお話しいただきました。非常に専門的なお話でしたが、普段知ることのできない善光寺の側面を知ることができました。
板画家の故秋山巌さんの娘さんである、町田珠実さんご夫妻が本日ご来館されました。(写真左から、静谷教育長、町田さん、町田さんの旦那さん)
秋山さんは、棟方志功の弟子にあたり、一茶の俳句をモチーフにした作品も多数制作されています。一茶記念館では現在、一茶俳句板画展を開催しており、秋山さんの作品も展示しておりますが、秋山さんは、残念なことに、先月94歳でお亡くなりになってしまいました。
町田さんからは、故人の遺志ということで、秋山さんの貴重な肉筆画作品をご寄贈いただきました。2013年の作品で、一茶の「菜の花のとっぱづれなり富士の山」という句をモチーフにした作品で、現在企画展示室で展示しています。作品を見ながら、故人の想い出話に花が咲きました。
10月11日に、石川県白山市で開催された、「第98回千代女全国俳句大会」に、信濃町とその周辺にお住いの皆さん18人で参加してきました。白山市は、江戸時代の俳人「加賀の千代女」のふるさとで、一茶記念館と長年交流を行っています。
当日は、行きの北陸道が事故のため1区間通行止めになっているなどハプニングもありましたが、雲一つないさわやかな秋晴れののなか、午前中は千代女ゆかりの地を訪ね歩いて吟行し、午後は俳人片山由美子さんの講演会と表彰式に参加し、北陸土産を買いこんで無事帰宅できました。
参加した皆さんの、席題俳句の入選は惜しくもありませんでしたが、兼題の部で、お二方が入選されましたので、ご紹介させていただきます。
黒田杏子先生選 入選
ヘブンてふ青き朝顔空に溶く 吉池野草さん
片山由美子先生選 つるべ賞
成人式出世しさうな顔ばかり 竹内恒男さん
7月18日(金)~9月28日(日)まで開催いたしました「猫と犬と一茶」は、おかげさまで大好評のうちに幕を閉じました。
あらためまして、ご来場いただきました皆様、そして書店などで本を手にしてくださった皆様、どうもありがとうございました!
そして期間中、ご来場の皆様にお気に入りの写真へ投票をお願いしておりましたが、総合ランキングが出ましたので発表いたします!
第1位 狗(えのころ)も走りくらする小ぞり哉
第2位 猫の子のまま事をするすすき哉
第3位 狗(えのころ)の先(まず)つくばひぬ雪仏
第4位 盗ませよ猫も子ゆへの出来心(できごころ)
第5位 盗人と人に呼ばれて猫の恋
第6位 猫の子のくるくる舞(まい)やちる木の葉
第7位 猫の飯相伴(しょうばん)するや雀の子
第8位 面の皮いくらむいてもうかれ猫
第8位 うら町や大卅日(おおつごもり)の猫の恋
第10位 桃の門(もものかど)猫を秤にかける也
中には期間中に4回も足を運んでくださった方や、東京の書店で本を見つけたことがきっかけで今回の企画を知り、遠路はるばるお越しくださった方、四国から一茶さんの足取りをたどって、フィナーレにこの一茶記念館を訪れてくださった方も。
日本全国からこうしてお越しいただける一茶記念館は、本当に幸せです。どうもありがとうございます。
これからも、一茶さんの資料を大切に守り、皆様に喜んでいただける一茶記念館としてがんばってまいります。
重ね重ね、今回の企画、どうもありがとうございました。
展示期間は終わりましたが、上位30位までのにゃんこ・わんこのお写真は館内に展示しておりますので、よろしければどうぞご来館お待ちしております。
また、信濃毎日新聞と一茶記念館の共同出版した「猫と一茶ふたたび」、「犬と一茶」は、書店、一茶記念館で好評販売中です。
ねこ館長 うみ
親分と見へて上座に鳴蛙 一茶
一茶記念館の玄関にある足元灯の隙間に、真っ白い一匹のカエルが住んでいるようです。梅雨のころから、職員が出入りの際に、同じ場所に腰を下ろしている姿をよく見かけます。白い色は保護色で、時々違う色のこともありますが、同じカエルのようです。カエルも一か所にねぐらを定めるのですね。
「痩せがえる負けるな一茶これにあり」を含め、268句もカエルの句を詠んでいるカエル好きの一茶。そんな一茶を慕って、このカエルも一茶記念館に住みついてくれたのかもしれません。
9月6日に開催された第3回の一茶記念館講座。今回は、一茶研究者の作新学院大学教授渡邊弘先生に「一茶晩年の生き方~精神の円熟~」と題してご講演いただきました。
従来、若いころの反芻に過ぎないと評価が低かった一茶の晩年(56歳~65歳)を再評価するという内容で、七番日記の頃に、一茶のなかに、「天地大戯場」の現世で、生きとし生けるものすべてが、みな仲間として押し合いへし合い生きているという視点が芽生えて、晩年に小さな命への優しいまなざしという、私たちの知る一茶調ができていったということを、句作の変化や、季語の増加などの詳細な実例をもとに解説していただきました。
先生は、晩年の一茶の生き方を「素童心」という言葉で表現され、現世の欲を捨てきれない「自力」と、仏にすがる「他力」の中間で、自分自身に素直に生きようとした一茶の精神の成熟を読み取り、一茶の晩年は決して文学的にも不毛ではなかったと評されました。
先生は一茶を研究されて36年、一茶記念館の元館長故清水哲氏と共に北信の一茶資料所蔵家を巡った思い出など、一茶への思いも語っていただき、盛りだくさんの講座となりました。
さあ!皆さん、お待たせいたしました!
にゃんこ・わんこファン投票の8月度番付が出ました!
7月18日(金)から開催中の企画展「猫と犬と一茶」、夏休み中も大変好評で、ご来館のお客様に楽しみながらご投票いただきました。
ご来館のお客様の感性はとてもステキで、スタッフ一同、毎日結果にワクワクしながら会話もより弾みます。
それでは、8月度番付、発表いたします!
第1位 狗(えのころ)も走りくらする小ぞり哉
第2位 盗ませよ猫も子ゆへの出来心(できごころ)
第3位 猫の子のまま事をするすすき哉
第4位 盗人と人に呼ばれて猫の恋
第5位 猫の飯相伴(しょうばん)するや雀の子
第6位 狗(えのころ)の先(まず)つくばひぬ雪仏
第7位 面の皮いくらむいてもうかれ猫
第8位 猫の子のくるくる舞(まい)やちる木の葉
第9位 犬猫が恋草臥(くたびれ)の鼾(いびき)かな
第10位 花ちるや称名(しょうみょう)うなる寺の犬
さて、いかがでしたでしょうか?
投票したにゃんこ・わんこは入っていましたでしょうか?
企画展「猫と犬と一茶」、今月28日(9月28日(日))まで開催中ですので、芸術の秋、読書の秋、食欲の秋、、、一茶の秋、、、ということで、にゃんことわんこの写真と一茶の俳句を組み合わせた展示、この機会にぜひ一茶記念館へ足をお運びくださいませ!
番付は、あと今月分と期間中7/18~9/28までの総投票数番付も発表いたしますので、ぜひ皆さん、お楽しみに!
一茶記念館で確認している一茶句碑は全国に362、そのうち信濃町は122です。なかでも一茶記念館周辺には一茶と一茶を顕彰した方々の句碑が数多くあります。8月30日(土)、夏まつりの一環で、約2時間、周辺の句碑をめぐりました。長野市、妙高市の方、地元の方も加わって、いつも見ている句碑のことがわかり、有意義な時間となったようです。案内人のみなさんも多数参加してくれました。ご苦労様でした。
記念館周辺の句碑には説明板もありますので、秋空のもと散策を楽しんでくださいませ。
明日8月30日(土)に、一茶記念館周辺で開催される「一茶夏まつり」に合わせて、観光案内ボランティア「一茶ふるさと案内人会」と一緒に、町内の主な一茶遺跡、句碑をめぐる、ウォーキングツアーを開催します。
(1)日程:8月30日(土) 15時~17時
(2)集合:柏原グラウンド本部テント前(一茶記念館と道を挟んで隣)
(3)内容:一茶記念館周辺の、句碑9か所、国史跡一茶終焉の土蔵、村の鍛冶屋中村家住宅、一茶菩提寺明専寺、一茶家の墓などの遺跡を、案内人の解説付きで巡ります。約3kmの行程
(4)参加費:無料
(6)定員:60人
(7)参加賞:全員に信濃町PRキャラクター「一茶さん」特製ピンバッジ(非売品)。抽選で、信濃町特産品をプレゼントします。
(8)申し込み:当日参加可能です。直接お越しください。
※当日は、夏まつりに多数の来場者が見込まれます。そのため、会場周辺は交通規制が敷かれていますので、お車でお越しの際は、係員の誘導にしたがって、指定された駐車場にお車をお停めください。
開館期間
3月20日~11月30日(通常営業)
休館日 5,6,9,10月末日(土・日に当たる場合は翌月曜日)、年末年始
※冬季営業/12月1日〜3月19日の間も、平日のみ見学可能
開館時間
午前9:00~午後5:00
入館料
おとな(高校生以上) 500円(450円)
こども(小中学生) 300円(260円)
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳ご提示の方と、
付添いの方1名まで半額